模合とは?幹事の進め方:ルール表・記録帳・支払いが遅れたとき

お金を預かる幹事の仕事は、最初の掛け金の前にルールを書くこと、消し跡のない記録帳をつけること、そしてけんかにならない声かけです。

  • 模合の幹事には3つの道具があります。全員が署名した書面のルール、支払いをその日のうちに書き込む記録帳、そして毎回同じ段取りです。
  • ルールで気まずい問題を先に決めておきます。支払いの遅れ、ペナルティ、途中でやめる人、順番の交換、幹事が手数料を取るかどうか。
  • 支払いが遅れたら段階を踏みます。期日前にグループへお知らせ、翌日に個別メッセージ、次にルールを示し、必要なら書面で返済計画を立てます。
  • 記録帳は絶対に消しません。間違いは、日付を入れた新しい行で直します。
  • わかりやすい記録帳と署名入りのルールは、もめたときに役立つ記録です。ただし、どう決着するかまでは保証しません。

模合とは:このガイドで扱うこと、扱わないこと

模合(もあい)とは、沖縄で今も広く続いている、仲間どうしでお金を出し合う仕組みです。メンバー全員が毎回同じ額を出し、集まったお金をその回の受け取り役がまとめて受け取ります。全員が一度ずつ受け取ったら一巡です。本土では頼母子講(たのもしこう)や無尽(むじん)と呼ばれてきたもので、メキシコのタンダ、西アフリカのスス、ケニアのチャマ、フランス語圏のトンチンなど、世界中に同じ仕組みがあります。英語ではROSCA(回転型貯蓄信用講)と呼ばれます。

世界各地の呼び名、世界銀行のデータ、入札で順番を決める方式、信用履歴づくりに使われる米国のレンディングサークル、詐欺の手口、受け取り順の決め方は、模合・頼母子講の世界ガイドにまとめています。このガイドは、お金を預かる幹事のためのものです。集めて、記録して、催促して、受け取り役に渡す人です。信頼される立場ですが、数字が合わないときに真っ先に疑われる立場でもあります。

ここでは、ひとつの例を最後まで追います。那覇で比嘉さんが幹事を務める模合です。メンバー10人が毎月2万円を出すので、1回に集まる額は10 × 2万円 = 20万円、一巡は10か月です。比嘉さんは幹事をしながら、6番目に受け取ります。

ルール:1枚にまとめ、最初の掛け金の前に署名

もめごとの多くは、誰も書いていなかったルールから始まります。誰かの支払いが遅れたら?今月の受け取り役が順番を代わりたいと言ったら?幹事自身が遅れたら?答えを決めるのは最初の掛け金の前、みんなの機嫌がいいうちです。

そのまま使えるテンプレートを載せます。[ ]をすべて埋め、最初の集まりで読み上げたら、全員に署名してもらい、コピー(または写真)を全員で共有しましょう。

模合のルール:「[模合の名前]」

1. メンバーと受け取り順:[1. 名前、2. 名前、3. 名前…]、
   [YYYY/MM/DDのくじ引き/全員の話し合い]で決定。
2. 掛け金:1人[金額]、毎[週/月]、
   [日]の[時刻]までに支払う。
3. 受け取り額:[金額]×[人数]=[合計]。[日]に受け取り役へ渡し、
   記録帳に受け取りの署名をもらう。
4. 支払い方法:[集まりで現金/幹事の口座への振込・スマホ決済]。
   支払いはすべてその日のうちに、証拠とともに記録する。
5. 支払いの遅れ:期日の翌日にお知らせ。[3]日を過ぎたら
   [___円のペナルティを受け取り額に加える/ペナルティなし]。
   受け取り額は[全員の支払いがそろってから全額渡す/
   集まった分を渡し、残りは入りしだい渡す]。
6. 支払いが遅れているメンバーは、清算するまで受け取れない。
7. 受け取った後にやめる場合:残りの掛け金は引き続き払う。
   返済計画は書面にして署名する。
8. 受け取る前にやめる場合:[全員が認めた新メンバーと交代/
   一巡の終わりに掛け金を返す]。
9. 順番の交換:2人の間なら可。両者が書面で合意し、
   期日前に全員へ知らせる。
10. 幹事:[名前]。役割:集める、記録する、渡す、催促する。
    手数料:[なし/___円]。記録帳は全メンバーに公開する。
11. もめたとき:記録帳を全員で確認する。それでも解決しなければ
    [グループが選んだ信頼できる人]に相談する。

[場所]にて[日付]署名:________________

コツを2つ。ペナルティは小さくしましょう。目的はルールを本気のものにすることで、苦しい月を過ごしている人を罰することではありません。また、幹事が手数料を取るなら、金額で書いておきます。思いがけない手数料は、グループが壊れるいちばんの近道です。

記録帳:1回の支払いに1行、何も消さない

記録帳があれば、いつでも3つの質問に答えられます。誰が払ったか、いくら払ったか、それをどう証明できるか。紙でも、表計算でも、アプリでも、項目は同じです。

記録帳 · 比嘉さんの模合 · 10人 · 毎月2万円
受け取り額:200,000円 · 幹事:比嘉

第3回 · 期日 2026/10/05 · 受け取り役:宮城
日付        メンバー  金額      方法         証拠                 状態
2026/10/01  金城      20,000円  スマホ決済   スクショ R3-01       支払済
2026/10/02  大城      20,000円  現金         大城さん署名         支払済
2026/10/02  宮城      20,000円  スマホ決済   スクショ R3-03       支払済
2026/10/03  新垣      20,000円  銀行振込     振込明細 R3-04       支払済
2026/10/03  比嘉      20,000円  現金         確認署名:新垣       支払済
2026/10/04  玉城      20,000円  スマホ決済   スクショ R3-06       支払済
2026/10/04  島袋      20,000円  現金         島袋さん署名         支払済
2026/10/05  上原      20,000円  スマホ決済   スクショ R3-08       支払済
2026/10/05  仲村      12,000円  スマホ決済   スクショ R3-09       一部、残り8,000円
—           知念      —         —            —                    未払い

訂正 2026/10/06:10/02の大城さんの行を誤って15,000円と記入。
20,000円に訂正。確認:比嘉、新垣。
受け渡し:[日付]、比嘉から宮城へ200,000円。署名:______

項目と同じくらい、習慣が大切です。

  • その日のうちに記録する。 期日の遅い時間に入金があったら、時刻も書きます。
  • 1行に1つの証拠。 スマホ決済や振込なら、完了画面のスクリーンショットを記録帳と同じ番号で保存します。現金なら、払った本人か立会人に署名してもらいます。
  • 絶対に消さない。 間違いは、2人が確認した日付入りの訂正行で直します。線で消した金額や上書きした金額こそ、疑いを生むもとです。
  • 毎回まとめを送る。 各回のあとに、誰が払ったか、誰がまだか、誰が受け取ったかをグループに送ります。

受け取り日:3つのステップ

前。 2日前に、グループへひとこと。「お知らせです。5日(月)までに2万円をお願いします。今回は宮城さんの番です。送ったらひとこと連絡ください。」

当日。 集まるなら、現金は全員の前で、2人で数えます。記録するたびに、誰がいくら払ったかを声に出します。受け取り役に渡したら、記録帳に署名してもらいます。すべてアプリでやりとりするなら、同じことをメッセージで。確認が届くたびに記録し、最後に受け取り役への送金の証拠を送ります。

後。 その日の夜に、まとめを送ります。まだ残っている未払いを書き留めるのもこのタイミングです。

比嘉さんの模合、第3回(全10回)
金城第1回大城第2回宮城第3回新垣第4回仲村第5回比嘉第6回玉城第7回島袋第8回上原第9回知念第10回受取額200,000円
  • 今回の受取人
  • 支払い済み
  • 未払い
今回の受け取り役は宮城さん。仲村さんは2万円のうち1万2,000円を支払い済み、知念さんはまだなので、ルールどおり受け渡しは待ちます。

支払いの遅れ:丁寧に、書面で段階を踏む

支払いの遅れは裏切りではありません。給料日が遅れたのかもしれないし、急な出費があったのかもしれません。事実だけを伝え、書面に残し、自分の気分ではなくルールに頼りましょう。

いつ方法文面の例
翌日個別メッセージ「知念さん、第3回の2万円がまだ記録できていません。大丈夫ですか?送れるときに教えてください。」
3日後個別メッセージ「ルール5のとおり、今日から遅延のペナルティがかかります。宮城さんが受け取りを待っています。いつ払えそうか教えてもらえますか?」
7日後電話、そのあと書面計画を提案します。「12日に1万円、19日に1万円」。記録帳に書き、書面で確認をもらいます。
それ以降グループ責めずに事実をグループで共有し、ルールに書いたとおりに対応します。

翌日

方法個別メッセージ

文面の例「知念さん、第3回の2万円がまだ記録できていません。大丈夫ですか?送れるときに教えてください。」

3日後

方法個別メッセージ

文面の例「ルール5のとおり、今日から遅延のペナルティがかかります。宮城さんが受け取りを待っています。いつ払えそうか教えてもらえますか?」

7日後

方法電話、そのあと書面

文面の例計画を提案します。「12日に1万円、19日に1万円」。記録帳に書き、書面で確認をもらいます。

それ以降

方法グループ

文面の例責めずに事実をグループで共有し、ルールに書いたとおりに対応します。

ルールに書いていない限り、足りない分を自分のお金で立て替えないでください。記録のはっきりしないまま、メンバーにお金を貸している状態になります。そして、遅れを黙って処理するのも禁物です。受け取り額が足りなかったと後でわかったとき、責められるのは幹事です。

途中でやめる人・払えない人:未払い額を書き残す

難しいのは、すでに受け取ったメンバーが払わなくなるケースです。この例で、第1回に受け取った金城さんが第4回のあとでやめたとします。受け取ったのは20万円、払ったのは4 × 2万円 = 8万円だけ。残り12万円、掛け金6回分が未払いです。いちばん確かな記録は、日付と署名の入った借用の確認書と返済計画で、記録帳にも書いておきます。

受け取る前にやめるメンバーのリスクはもっと小さく済みます。ルールしだいで、新しいメンバーが同じ順番を引き継ぐか、一巡の終わりに掛け金を返します。どちらにしても、決めたことを書き、署名をもらいましょう。

もめたときの記録

これは法律相談ではありませんが、書き残すことがなぜ大切かは、いくつかの例でわかります。署名入りのルールと毎日つけた記録帳があっても結果は保証されませんが、記憶と記憶のぶつけ合いよりずっと頼りになります。

まずは話し合いで解決を目指しましょう。記録帳を一緒に見直すか、グループが信頼する人に入ってもらいます。英国(イングランドとウェールズ)では、GOV.UKが、裁判より調停のほうが早く安く済む可能性があると案内しています。米国では、少額訴訟裁判所がおおむね1万ドル未満の事件を扱い、弁護士は不要ですが、上限は州によって違うと米国州裁判所センター(NCSC)が説明しています。日本では、お住まいの自治体の無料法律相談や法テラスなど、身近な相談窓口で確認してください。

Binome360で模合の記録帳をつける

Binome360の模合モジュールは、メンバーを受け取り順に並べ、受け取り額を計算し、今回と次回の受け取り役を表示します。支払いはタップひとつ、またはメッセージを入力するだけでチェックできます。受け渡しのあとに払った人がいたら、その回に戻ってチェックすればOKです。毎回の前日18時にリマインダーが届き、「Share the status」(状況を共有)ボタンでLINEやWhatsAppにそのまま貼れるメッセージ(払った人、まだの人、受け取り役、次の回)ができます。メンバーはアプリを入れなくても大丈夫です。

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マイアシスタントBinome360

比嘉さんの模合、知念さんが第3回の2万円を払いました

準備できました。知念さんを第3回の支払済にします。残りは仲村さん。今回は宮城さんが20万円を受け取り、次回は新垣さんです。保存しますか?

比嘉さんの模合 · 第3回9 / 10 支払済宮城さんが200,000円を受け取り確定編集

確認するまで何も保存されません。

Binome360 を無料で試す

共有アシスタントで模合を作れば、招待したメンバーにも見えて、それぞれ自分のスマホから記録を追加できます。共有の定期リマインダー(「毎月3日:模合の支払い」)を使えば、期日前のお知らせを自分で送る必要もありません。表に収まらないこと、たとえば残金や返済計画は、アシスタントのメモ機能が覚えておきます。「仲村さんは第3回の8,000円がまだ、と覚えておいて」。

Binome360は記録をつけるだけです。アプリがお金を集めたり動かしたりすることはありません。掛け金はこれまでどおり、現金、銀行振込、スマホ決済でやりとりします。

よくある質問

メンバーは本当にルールに署名する必要がありますか?

必須ではありませんが、署名があれば全員がルールを読んで受け入れたことがはっきりします。もめたときに記憶を比べるのではなく、文章を読み返せます。署名したページの写真をグループで共有すれば、全員が控えを持てます。

全額そろっていなくても渡していいですか?

ルールで認めていれば大丈夫です。受け取り役には集まった分を渡し、残りは入りしだい渡します。一部の受け渡しは、正確な金額と受け取り役の署名とともに記録しましょう。

幹事自身が遅れたら?

ほかの人と同じです。ルールは全員に適用されます。だからこそ、幹事自身の行は別のメンバーに確認の署名をしてもらいましょう。

自分が掛け金を払ったことをどう証明できますか?

スマホ決済や振込の完了画面を保存するか、現金なら記録帳に署名をもらいます。毎回のまとめに自分の支払いが載っているかを確認し、抜けていたらすぐに伝えましょう。

まとめ

模合の幹事を務めるとは、グループの約束を守ることです。難しいケースを先に決めた署名入りのルール、すべての支払いをその日に証拠つきで書く記録帳、そしてルールに基づいた丁寧な書面での声かけ。最初の一歩として、ルールのテンプレートを書き写し、埋めて、次の掛け金の前に署名してもらいましょう。

出典

  • National Center for State Courts(米国州裁判所センター)「Understanding small claims court」:ncsc.org。
  • GOV.UK「Make a court claim for money」(裁判前の調停、イングランドとウェールズ):gov.uk/make-court-claim-for-money。
  • Binome360「模合・頼母子講・タンダ・トンチン:世界の講(ROSCA)ガイド」2026年:/en/blog/savings-circles-guide。

ほかの言語 English, Français, Español, Português, Deutsch, Italiano, Türkçe, Bahasa Indonesia, Bahasa Melayu, Tiếng Việt, ไทย, 한국어, 繁體中文, العربية.

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